軽自動車の車検を自分で受けてみよう 事前準備、点検編(ホンダ ゼストスパーク)

2022年1月21日

足車で使用している

軽自動車(ホンダ ゼストスパーク)の車検(継続)検査を
事前準備から整備作業、ユーザー車検を全て自分で実施してきました。
その内容を数回に分けてお送りしたいと思います。


なお車両の状態が悪く整備作業が多ければ難易度が高くなります。
また、お仕事の関係で平日に休みが取れない場合はユーザー車検を受けるのは難しいと思います。

しかし、少しでも興味関心意欲があって
平日に半休を使える企業にお勤めの場合、車両も軽整備で済む状態であれば比較的簡単に実施が可能で費用も安く抑えられます。

それよりもご自身で愛車の健康状態が把握できますのでより車両への愛着が増すのではないかと思います。


ユーザー車検や点検は気になっているけれど…
自分でやるには自信がない方などいらっしゃれば参考にして頂けると幸いです。



はじめに

日本で自家用車を所有(登録)している場合は道路運送車両法によりユーザーが点検(法定点検)を実施する事が義務付けられています。

法定点検には半年点検、12か月点検、24か月点検(車検)などといったものから
点検だけで言うとメーカーやディーラーが規定する各部点検など様々な種類があります。


いずれも車両に不具合がないかを定期的に確認し
必要に応じて改善処置を施しましょうというのが内容です。

車両の状態を把握する為にも点検は何度やっても損はありません。
しかし、各部点検、半年点検、12か月点検に関しては現状実施しなくても罰則などはありません。
実施してない車両も多いのが現状です。


但し、車検(24か月点検)に関しては
2年に1度(新規登録者は初度登録からは3年)車検を受ける事が義務付けられています。
これは普通車、軽自動車も同様です。

乗用車や貨物車、タクシー、バス、レンタカー、教習車など用途によって車検を実施する期間は異なりますがいずれも車検を受けなくてはなりません。

車検を受けないとどうなるの?

車検が切れている状態で私有地を走る場合や
車庫に保管しているだけでは問題ありません。


但し、公道を走行していると違法行為に該当します。

車両に異常がなければそのまま走れてしまいますが…

罰金、罰則はもちろん免停以上の重い行政処分の対象になります。
自賠責保険も切れていると事故を起こした際に大変なことになります。

また、昨今では車検切れの車両を摘発する為に
自動ナンバー読み取り装置などと言った機械が開発されて定期的に街頭調査が行われています。


「バレなければいい」とお考えの方もいらっしゃるかと思いますがいずれ見つかります。

公道を走行するなら必ず車検を受けましょう。

点検の内容

車検を受けるのにあたって方法や手段は様々!


ただ、自分で実施するにしても業者に依頼するにしても
事前に車両を確認し最低限車検の点検項目に異常がないか確認(業者依頼の場合は見積りにて確認)が必要です。

↑は点検整備記録簿の一例になります。
一般的な乗用車で使用する正式な記録簿は別表6と呼ばれるものです。


検査を受ける車検ラインでは記録簿の内容に基づいて
エンジンオイル量、ワイパーのはけ具合、灯火類の点灯状態などの日常点検に関する項目からオイル漏れ、水漏れ、ブーツ破れ、その他損傷がないかの点検


それからテスターで排ガス、サイドスリップ、ブレーキの制動力、スピード、ヘッドライトの光軸を測定し基準値内である事などが必要です。


今後は更に診断機を接続してコンピュータに異常がないかを確認する項目や自動ブレーキなどの安全装置が装着されてある車両に関してはそれらの機能を点検する項目が追加されるとアナウンスされています。


ひとまず記録簿に記載されてある点検項目に異常がなければ現状パス出来ますが…

逆に記録簿記載の項目で異常がある箇所が1か所でもあれば部品を交換するか修理を実施しない限り車検は通りません。

実際に車両を点検してみよう

実際に車両を点検して記録簿の点検内容に従って点検をしてみましょう。


所有している
ゼストスパークは初度登録から13年!

走行距離は13万kmで単純計算だと年間約1万kmほどの使用頻度です。


基本的なメンテナンスは定期的に実施済みで

タイミングベルトは10万kmの時に関連部品も含めて交換済
エンジンオイルは5000kmサイクルで交換
警告灯などのチェックランプはなく診断機の故障メモリーもなし

走る、曲がる、止まるの全ての要素は基本的に問題のない車両です。


とは言いつつも


走行距離が10万kmオーバーという事もあり
消耗品は過去に交換した内容であっても2度目もしくは3度目の交換時期を迎えます。


今回の点検で例を挙げると

・フロントブレーキパッド (残量 2mm)
・タイヤ (残量 3mm)
いずれも車検には通りますが交換時期

バッテリーにおいても取付状態、エンジンの掛かり具合は正常なものの前回交換履歴から7年経過していました。

経年劣化に伴うバッテリー上がりを防ぐ為交換推奨項目として追加


目視だけでは中身の見えないブレーキドラムについても分解して状態を確認します。

ブレーキシューの残量は十分
ホイールシリンダーからのフルード漏れもなくこちらは点検良好!
この後清掃とグリースアップを実施し組付けました。

幸いエンジン廻り、冷却関係もオイル漏れ、水漏れなどはなく点検良好でした。


ただ、下廻りを点検した際に
ゴム製品の劣化が酷くこちらに関してはほぼ全滅

ロアアームのボールジョイントブーツはひび割れ
タイロッドエンドブーツも同様にひび割れ

ファンベルトも時折鳴きが発生していたので細かくチェックすると溝に亀裂が生じていました。

今回の車検をクリアするのに必要になる整備作業

ゼストスパークを実際に点検して
以下の部品を交換する必要があることがわかりました。


要交換部品
・ロアアーム ボールジョイントブーツ (ブーツひび割れ)
・タイロッドエンドブーツ (ブーツひび割れ)
・ファンベルト交換 (ベルト亀裂)
・ブレーキフルード交換 (定期交換)
・フロントブレーキパッド、ディスク (摩耗の為)
・フロントワイパー (はけ不良)


予防整備項目
・タイヤ4本交換 (摩耗の為)
・バッテリー交換 (7年前のバッテリーの為)
・スパークプラグ交換 (過去に交換歴がない為)


使わずに放置している期間の長い車両も当然痛みますが年数が経過している車両や走行距離が多い車両になればなるほど交換部品が多くなる傾向にあります。

今回の車両は交換部品が少し多いので
交換に伴う作業時間と工具、若干のスキルが必要です。

初めてなら年式が浅めの(新しい)車両で

はじめてユーザー車検を受けてみる方にお勧めな車両としては

年数が経っている車両よりも
1回目の初回車検から2回目、3回目ぐらいの車両であれば交換部品も項目も少なく比較的容易に車検を受ける事が可能かと思います。

但し、状態が良い車両であるのが条件です。


年数が経っていなくても駐車場に漏れたオイルや冷却水が垂れて染みになってるような状態であったり警告灯が点灯している車両については不具合個所の修理が必須になります。

また、重整備やテスターでの調整が必要な作業が絡むとDIYでは難しくなります。

車両購入時に点検パックや延長保証に加入されている場合はご確認を

これはよくある事例なのですが…
メーカー保証、販売店保証、延長保証、点検パックなどに加入されている場合

法定点検等は購入した店舗やディーラーに入庫をしていないと無効になるケースが御座います。

せっかく加入している保証が使えなくなると非常にもったいないので
まだ保証期間内の車両、保証に関して詳細が不明であれば事前にディーラーや購入店舗に相談する事をお勧めします。


今回はユーザー車検を受けるのにあたって
車両の現状を把握する内容を中心に記載しました。

次回は車検に適合するように整備作業を行っていきます。