現行型ミニ(F56)に車高調を入れる際に注意する事
2015年にBMW MINIの3代目に当たるF56型が発売!
2018年にはマイナーチェンジ(LCI)モデルに
今年は更に2度目のマイナーチェンジ(LCI 2)モデルへアップデートされ現在に至ります。
恐らく次はF型からG型へモデルチェンジになるかと予測されますがまだ暫くは現行型である事には変わりないF56型ミニ。
現行型モデルにお乗りの方で「車高を下げたい」とお思いの方は1度は検討するのであろう車高調整式サスペンション(以下車高調)への交換!
せっかく高いお金を出して交換したけれど選んだ車高調によっては
「ディーラーでの入庫を断られてしまった」
「追加で部品が必要になった」
「純正アルミホイールが付けられない」
と言った状況に陥る可能性があります。
実際に筆者の周りで困ったと言う方がいらっしゃいましたので参考にして頂けると幸いです。
目次
発売されているミニ用の主な車高調ラインナップ
・BMW MINI 純正 JCW Pro スポーツサスペンションキット
・アイバッハ プロストリートS
・アムゼックス スポーツサスペンションキット
・KW バージョンシリーズ、ストリートコンフォート
・3DDesign サスペンションキット
・ビルシュタイン B14、B16
・BLITZ DANPER ZZ-R
・BC RACING COILOVERKIT
ネジ式、全長式、減衰有り・無し等様々な製品が御座います。
他のメーカーからもラインナップされている製品もありますが今回は装着率の多い主要モデルをピックしています。
オプションのEDC装着車両はご注意
オプションでEDC(電子制御ダンパー)が装着されている車両に関してはEDCの機能をキャンセルするためにキャンセラー付きの製品を装着もしくは別途コーディング等の作業が必要になります。
基本的にラインナップにあるのは大半がEDC未装備用になりますのでご注意下さい。
見分け方はエンジンルームを開けて
足回りのアッパーマウント(上側)を見ると
なお、EDC装着車両のダンパーのサプライヤーはビルシュタインです。
装着車両が極めて少ない希少なオプション装備品になります。
制御によって減衰が変わったのが体感できるダンパーですので筆者としてはこのダンパーが付いてる車に関しては機能を犠牲にせずにダウンサス等でうまく活用して貰えたらいいのかなと思います。
ショックアブソーバーの形状が重要
車高調導入に関して厄介になってしまった原因
それは現行型は旧型のR50系、R56系の車両と比較して
足回りのクリアランスが非常にシビアな設計になっています。
こちらが純正ショックアブソーバーの写真
シェル(筒)の中央部分に一部フラットになっている箇所があるのがお判りでしょうか?
通常は基本的にショックは筒状でフラットになる箇所等は御座いません。
それではなぜこのような形状をしているのか?
アルミホイール及びタイヤの内側部分と
ショックアブソーバー本体の干渉を防ぐ為です。
フラットな形状にする事によりクリアランスを確保しているのですがそれでも結構ギリギリなところ
純正アルミの7J 17インチ、18インチが装着されてある車両はタイヤの銘柄によっては新品時にあるタイヤのヒゲ(スピュー)が当たった跡がある場合があります。
跡があると言っても暫く走ればなくなりますし走行に支障をきたす恐れは殆どありませんがそれだけクリアランスが純正の状態でもないと言う訳です。
社外品の車高調の形状は色々?
ショックアブソーバーの形状が特殊で純正は一部フラットな形状をしているという事をお伝えしましたが社外品はと言いますと…
メーカーによって様々です。
参考までに
純正アクセサリーのラインナップにあるJCW Pro スポーツサスペンションキット
純正品という事でシェルの一部にフラットな箇所があります。
ちなみにサプライヤーはKWですので
KWの製品も同様の形状です。
他にもアイバッハ製、アムゼックス製、3DDesignの製品にも同様の形状が見られます。
一方で
ビルシュタイン製は
筒状の状態でフラットになっている箇所は御座いません。
他にもBLITZ製、BC RACING製の製品は通常の車高調のように筒状になっています。
アルミホイール及びタイヤと干渉してしまう
純正のショックアブソーバーはアルミホイール及びタイヤとの干渉をすべく一部がフラットな形状になっているのに対し一部の社外品では筒状の状態。
もし、仮に筒状の車高調に純正アルミを装着したらどうなるのか?
写真が暗く角度も多少異なるのでわかりにくいと思いますが…
純正アルミホイールを装着するとタイヤと干渉してしまいます。
仮にギリギリ干渉しない状態でもクリアランスがギリギリだと
タイヤは走行中に過重変化によりよれますので干渉してしまいます。
干渉を防ぐ解決策
アルミホイール及びタイヤとショックアブソーバーが干渉してしまう場合の対策としては大きく2つ!
1つ目はホイールスペーサーを装着する
干渉してしまうなら当たらないように調整すればいいだけの話ですのでスペーサーを噛まして干渉を防ごうという対策になります。
BLITZ製は付属品の中に専用スペーサーが同梱されてますしビルシュタイン製等もスペーサーと一緒に装着すると干渉を防ぐことが出来ます。
但し、スペーサーを装着するにあたってデメリットもあります。
厚みの分長いロングボルトが別途必要になる場合がある事
厚みが厚ければ厚い分ボルトのかかる部分が少なくなりますのでロングボルトを導入しないと脱落や損傷と言った事故に直結してしまいます。
合わせてディーラーの入庫の際断られるリスクがある事
足回りには精度が求められるのと安全性の観点から危険であると判断される(された)場合や指定工場独自で厳しくチェックされている事業所ですと純正の状態に戻さないと入庫事自体を断られる可能性も御座います。
2つ目
アルミホイールを交換する
純正アルミホイールを使用するのが前提であれば1つ目のスペーサーを装着する以外方法はありませんがスペーサーと同様にオフセットを調整するという事でアルミホイールを別の物に交換するという選択肢が御座います。
写真はビルシュタイン製の車高調に社外品のアルミホイールを装着しています。
これにより十分なクリアランスが確保されました。
これも当然デメリットがあり
ホイールとタイヤを交換すると費用が高額になる事
アルミホイールも物によってはキャリパーと干渉したりフェンダーからはみ出してしまう製品も御座います。
結果としてこちらも状況によってはディーラーでの入庫をお断りされる可能性があります。
まとめ
現在ラインナップされている車高調には様々な種類が御座います。
純正のようにクリアランスを確保するような形状の車高調であれば対応可能な幅が広い一方でネジ式しか選べないのと価格が高いデメリットがあります。
従来の筒状の車高調は全長式も選べて比較的コスパが良い製品が多い一方でスペーサーを使用しないと純正アルミホイールが取付不可になってしまいます。
装着するアルミは純正品なのかそれとも社外品に変更するのか?
仮にアルミホイールを社外品に変更する場合はキャリパーとの干渉やフェンダーから露出する事がないような製品を選ぶ事が必須です。
判断を誤ると最悪ディーラーへの入庫を断られる可能性があります。
新車時に点検パックのTLCや延長保証に加入されている場合ですと点検が受けられなくなります。
だからと言って車検をディーラー以外の店舗で実施すると延長保証は無効になります。
車高調に交換した、しないだけで関係性が崩れる例もありますので1つの店舗だけではなく購入した店舗やディーラー、ショップそれぞれの説明を聞いた上で判断されることをお勧め致します。
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