水漏れ修理(サーモハウジング他交換) BMW MINI クラブマン(R55)
警告灯が一瞬点灯したそうで
気になるから観て欲しいとオーナー様よりご連絡があり車両をお預かり→車両診断→修理を実施致しました。

車両はR55 前期型のBMW MINI クラブマン クーパーS!
目次
水漏れ発生時には予兆があります
走行中に冷却関係の部品が瞬間的に破壊、損傷した場合はエンジンルームから水蒸気や煙が上がります。
停止時の場合であればエンジンルーム真下に冷却水がこぼれて地面がシミになっていると思います。
一気に損傷に繋がった場合は予測は難しいかもしれませんが…
R56系のミニの水漏れの殆どは
・サーモスタットハウジングのクラックやガスケットからの水漏れ
・ウォーターポンプのボディ、シャフトもしくは接合部からの水漏れ
・ウォーターパイプの劣化や接合部のOリングからの水漏れ
上記記載箇所からの漏れが殆どです。
大体が徐々に漏れてきますので以下の項目に注意しておけば
重症になる前に車両から何かしら異常を感知出来るかもしれません。
警告灯が点灯する

冷却水漏れ発生時には水温警告灯の警告灯が点灯します。
初期症状だと常時点灯するのではなく瞬間的に点灯して再度消灯するパターンも御座います。
また、エンジン水温の管理は非常に重要で水温計の値が異常になるとミニの場合エンジン始動が悪くなったりエンジンチェックランプが点灯する事もあります。
単純にセンサーの不具合も考えられますが警告灯が点灯もしくはエンジンの始動が悪くなったら「あれっ!?もしかして…」と疑問に思ってください。
悪化すると常時点灯しますのでこの場合は走行を控えましょう。
写真は黄色い警告灯ですがこの状態で長時間走り続けるとオーバーヒートを起こします。
もし、赤い警告灯に変わりアイドリング不調になったら最後です。
その時点でエンジンがダメになったと考えた方が良いかもしれません。。
暖房が効かなくなる
使用頻度がない夏場だと判断が難しいと思いますが…
冬場だとダイヤルを「Hi」にしてもぬるい風もしくは冷たい風しか送られてきません。
この場合も水漏れを起こしている予兆として判断できます。
電動ファンが回り続ける
冷却水が漏れてる状態だと判断するのにこれが一番分かり易いかもしれません。
漏れが生じているとエンジンを切っても暫くの間電動ファンが高速で回り続けます。
夏場やエンジンに負荷を与えた後はエンジンを切っても暫く電動ファンが回り続けますが漏れている場合は車両が異常と判断して電動ファンを回します。
甘い匂いがする、漏れた跡がある
これは難易度が少し上がります。
駐車場にシミが出来ている場合は既に重症ですがエンジンを下から覗くかエンジンルーム上から目視で確認すると冷却水が漏れた跡がある場合があります。
軽傷な時は白く吹いたような跡
重症になるにつれて冷却水の青緑の液体が付着しています。
水が漏れている際は冷却水の甘い匂いがしますのでこれも1つの判断材料になります。
サーモスタットハウジングからの水漏れ
当該車両は
サーモスタットハウジングから冷却水漏れが発生!

本体から漏れているので交換が必要です。
今回交換した部品

サーモスタットハウジング
前期型は問題ないですが中期型~は生産時期によって追加でサーモスタットアダプタケーブルが別途必要になります。
部品を手配される際は現物との比較する事も重要になります。
冷却関係を触りますので
交換時には冷却水も必要です。
輸入車用の冷却水と国産車に使われている緑やピンクの冷却水は成分が若干異なるそうです。
混ぜるのも良くないので純正の冷却水の使用をお勧めします。
そして
今回の作業に合わせて
1度も交換歴がなかったウォーターパイプ
交換してないと後々漏れる部品です。
同時交換をしておくと安心ですので合わせて手配。
それから
エキスパンションタンク(冷却水サブタンク)
こちらも劣化で黄ばんでおり底にクラックが発生していた為交換をお勧めして交換させて貰いました。
ウォーターポンプやタンクのキャップについては過去に交換歴がある為今回はお見送り。
全てオーナー様の希望により
純正品ではなく純正OEM品を使用。
当然純正品は安心ですが部品代が高額になると言うネックが御座います。
それに対しOEM品ですと純正品と同等の品質でお手頃価格。
近頃は純正品と同等の保証期間のある優良社外品も一部存在します。
中には粗悪品も御座いますので一概に社外品が良いとは言えませんが優良品、OEM品などであれば社外品でも良いのでは?と私は考えています。
交換作業

ミニはエンジンルームのスペースに対してエンジンが大きい為何をするにも効率が良くありません。
サーモスタットハウジングの交換はDIYだと難易度も高めです。
参考程度にご覧になって頂ければと思います。
脱着の際は
ホースクランププライヤーがあると外しやすいので
もし作業時にない場合は準備してからがお勧めですよ!
サーモスタットハウジング脱着にはウォーターパイプ接続部のピンの脱着にコツがいります。
誤って落としてしまうとエンジンブロックとスターターの間に挟まってしまいますのでご注意下さい。
ウォーターパイプはインテークマニホールドの下を通ってますので正規の作業手順ですとインテークマニホールドの脱着が必要になります。
当然工賃もその分増えます。
グレードや形状によっては外さずに出来ますが接続箇所が非常に見にくいので慣れている方以外はこの方法はお勧めしません。
交換作業が終わると最後に

冷却水を充填します。
ミニはエアがなかなか抜けない構造ですので写真のような真空装置でエア抜きが必要です。
作業完了

エア抜きまで完了したら洗浄して試運転を実施!
同時に診断機に繋げて

故障メモリーを消去、異常がない事を確認
試運転後にエンジンを冷ました状態で冷却水の水位を確認、調整して異常がない事を確認してようやく作業完了→ご納車です。
警告灯の連絡を頂いた際に遠出を控えていたそうです。
出先でのトラブルに見舞われなくて何よりです。
作業依頼ありがとうございました。
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