簡単にできるブーツ交換! スズキ キャリィ ボールジョイント ブーツ交換 他 軽トラ キャリー DA63T

2022年4月24日

ロアアーム ボールジョイントブーツの破れ

殆どの自動車には足回りに「ロアアーム」と呼ばれる部品が装着されています。

この部品の主な役割はかじ取り装置の支点として支える機能を有し路面からの衝撃を緩和するサスペンション(吸収装置)と車体を繋いでいる重要部品の1つ!


その根元にボールジョイントが装着されて周囲をゴムのブーツで覆われているのですが…

経年劣化や損傷等でひび割れ等が発生し

画像のように破れてしまいます。



今回はこちらのブーツ類を交換していきます。


交換せずに放置するとどうなるのか?

破れた状態をそのまま放置するとどうなるのか?


破れてすぐ何かしらの不具合がある訳ではありません。
しかし、破れたブーツの隙間から水や異物が混入するとボールジョイントに傷や錆が発生します。


この状態が長期間続くとボールジョイントにガタが発生し走行中に異音が発生したりハンドルを取られるきっかけになります。

また、最悪の場合ボールジョイントがロアアームと分離し事故や走行不能な事態に発展します。

スズキ車はこの事例が多いようですので注意が必要です。


ガタはもちろんブーツ破れが見つかった時点で車検にも通りませんので点検等で発見した時点で交換するようにしましょう。

用意した部品

今回の交換に用意した部品は以下の通りになります。

大野ゴム
ボールジョイント ダストブーツ
型番:DC-1350
スズキ純正品番:A0Y1-34-565
ミヤコ参考品番:TBC-001
参考価格:約700円(1個)


一世代前のスズキ キャリィ(DA63T/DA65T/DA52T)用

他にもスズキの代表車種である
ワゴンR、アルト、アルトラパン、エブリィの一部の車両
その他のメーカーにも適合するようです。


今回は合わせて一緒に写っている
タイロッドエンドのブーツも同時交換する為に用意しました。

大野ゴム
タイロッドエンド カバー
型番:DC-2523
ミヤコ参考品番:TBC-013
参考価格:約200円(1個)


こちらもスズキ車の車両はもちろん他メーカーの車種にも適合するサイズで汎用性があります。
また、スタビリンクロッドのブーツとしても使用出来るようです。

交換方法

1.ジャッキアップ

該当車両 スズキ キャリー(DA63T)をジャッキアップします。

2.アーム類の切り離し

タイロッドエンドとロアアームボールジョイント上部のボルト、ナットを外します。

タイロッドエンドのナットの頭は17mmです。

緩めたら頭とロッドの面を合わせてハンマーで叩けば分離する事が可能です。

もし、いくら叩いても切り離せない場合は
「タイロッドエンドセパレーター」と呼ばれる工具を購入すれば簡単に外せます!


ロアアームボールジョイント先端についている
ボルト、ナットは共に14mm!

緩めている途中で共回りしますので片側を固定しながらもう片側を回すようにして緩めると外れます。

ボルト、ナットを外したらロアアームを下におろすと

サスペンション(ナックル)とロアアームの切り離せます。

2WDの軽トラは駆動方式がFRでフロントにドライブシャフトが装着されておらず今回の車両はスタビライザーもない為簡単に外す事が可能です。

3.古いブーツを撤去、清掃

ブーツを取り外します。

ブーツの根元に金属のリングが装着されておりそれらを外す際は少しコツがいります。

外し方は人それぞれあるのですが私は

ラジオペンチとマイナスドライバーで外しました。

マイナスドライバーは先が尖っていて危ないので

装着時を含めシールピックツールなどがあればそちらなどを使用してもいいと思います。

外した後は周辺を清掃しましょう。


4.グリス充填

ブーツを外したら
付着しているグリスを撤去、清掃

その後新しいグリスを充填します。

使用したグリスは
前回、こちらの記事で同様にブーツ交換をした際に使用した万能グリスを使用


破れているブーツを交換される注意点として

元々充填されていたグリスに
水分が付着されていいないか?やグリスの色が白濁してないか?の確認と

ボールジョイントに
傷、錆、汚れ、ガタ、動きなどをチェックして下さい。

上記の項目に何かしら該当している状態ですとボールジョイントにダメージがあります。

この場合はボールジョイント並びにロアアームASSYでの交換をお勧めします。


5.新しいブーツを装着

グリスを充填したら新しいブーツを装着します。

リングを装着するのにもコツが必要で不慣れな方はこの作業が1番時間が掛かると思います。

少しはみ出たグリスをブーツ全体に塗ってブーツが破れないように注意しながら少しずつリングを下にはめ込んでいくと固定できます。

簡単にはめ込むことが出来るように専用工具も存在しますので頻繁に交換する方や複数台所有されている方は1セットあったら楽に作業できますよ!

6.元通りに組付け

最初に外した逆の手順で元通りに組付けていけば完成です。

外す時と違って
タイロッドエンドはナットを締めていく際に共周りしてしまうかもしれません。

ロッド先端に6角やトルクスの頭があって
回り止めが出来ればそれらの方法で回り止めを

もし回り止めの方法がなければタイロッドを抑えたりタイロッドエンドセパレーターで押さえつけながらナットを締めていくと固定出来ます。


タイヤを装着して接地させたら作業完了です。


最後に

ロアアーム ブーツ交換とタイロッドエンドブーツ交換の方法を紹介しました。


メインで取りあげたロアアームは非常に重要な部品で
付随するボールジョイントはかじ取り装置の軸にあたる箇所です。

それらを覆うブーツの材質はゴムですので走行距離が少なくても
経年劣化でひび割れや亀裂、破れが生じます。

劣化は避けて通れません。

ブーツ交換だけで済めば交換費用は部品、工賃を合わせても比較的安価で済みますし
前述したとおり、走行には欠かせない重要部品の一つなので、破れはもちろん亀裂が入っているのを見つけたら、ケチらず交換するのをお勧めします。


交換作業をDIYで実施する際は
FRやスタビライザーのない2WDの軽トラに関しては脱着する部品も少なく初心者でも比較的簡単に交換が出来ると思います。


ただ、作業を実施するにはスキルや道具、場所、時間等が必要になります。
作業方法や手順を誤るとパーツを破損させる恐れがあるのはもちろん最悪事故に直結します。

分解整備に該当箇所でもありますので参考程度にお考え頂いて少しでも難しそうと感じた場合は無理せず認証工場、指定工場へ依頼される事をお勧めします。